④初めて手を繋いだ日

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 大勢の女子か、ひとりの女子か。負担が少ないのは後者だということは、明白だ。だから彼は、なにも言い返さないんだろう。 「一応、私が偽装彼女になってからの、ご利益はあるんでしょう?」 「それは、まぁ……。告白されることがなくなった。実に快適なスクールライフだ」 「なら、私ひとりくらいは我慢してよね」 「致し方ない」  ──いつの時代の人ですか!?  話し方がぎこちないし、武士みたいな口調になっている気がする。 「じゃあじゃあ、日曜日にデートしてくれる?」  彼のほうへ身を乗り出せば、少し体を仰け反らせて首を縦に振ってくれる宙斗くん。対応はひどいものだけれど、彼がデートを受け入れてくれたので許してあげることにする。 「とりあえず、綿密な計画を寝る必要があると思うんだ」  私はメモ帳とシャーペンを取り出して、【誰が見てもラブラブカップルに見える、宙斗&飛鳥のデート大作戦!】と書く。 「その気色悪いタイトルは……なんだ」  メモ帳をのぞき込んできた宙斗くんは、青い顔で口元をおさえながら尋ねてくる。まるで、ゴキブリを見つけたときの女子のような仕草だ。 「え、作戦名って大事じゃない?」 「センスの欠片もない。そこは──」  彼が私からメモ帳とシャーペンを奪い取ると、なにやら書き始めた。  あっ、宙斗くんから私に近づくなんて珍しい。     
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