①クール王子の彼女(仮)になります。

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 そうです、私はここにいます。もっと詳しくいえば、今きみのうしろにいます!  高杉くんのひとり言に、心の中で勝手に答える。  というか、私の机になんの用ですか!? 早くいなくなってくれないと、私が帰れないんですけど。 「ここ、置いとけば気づくだろ」  そう言って高杉くんがポケットから取り出したのは、私のお気に入りの赤いリボンだった。宝物であるあのリボンを見間違うはずはないので、あれは私のものだろう。 「大事にしてくれて、ありがとな」  そう言って、私の机にそっとリボンが置かれる。  どうして、高杉君くんがそれを持ってるの? ありがとうって、どういう意味?  頭の中にたくさん浮かぶ、クエスチョンマーク。もしかして、高杉くんが授業中に席を立ったのは、これのため?  だって私が昼休みにリボンを探しに行くまで、彼はずっと教室にいた。取りに行ったとするなら、サボり疑惑が浮上した一限目の授業中しか考えられない。 「探しに行ってくれたんだ……」  小さな声で呟いて、そっと胸をおさえる。心臓がありえないくらいに拍動していた。     
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