3話 蝶のように

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3話 蝶のように

【夜露蝶羽&大原紫穏】 小さい頃から気がつけば、母は私の隣にいなかった。 私が小学生になる頃、母は離婚した。 そして、私が小学三年生の時に再婚した。 相手の男性にも連れ子がいた。 5歳年下の女の子。 義妹ができるとワクワクしていたあの時の私は、今思えばお気楽だったと思う。 義妹がやってきてから、私の生活が狂い始めた。 私の周りは、義妹を中心にまわるようになった。 母は私に見向きもせず、ただ、義妹を可愛がった。 義父もだ。 私は空気のように扱われ、この8年間過ごして来た。 体育祭も、合唱祭も、文化祭も。 一人で用意されていた弁当を食べた。 義妹の体育祭や、授業参観は夫婦揃っていくのに。 どうして? そう思っていたのは小学生の時までだった。 中学生になってからは諦めた。 母はもういらない そう思っていた。 高校生になってからは誘われていた夜の仕事を始めた。 母の派手な容姿が私にも遺伝していて、高校生ながら、身長も高く、スタイルも良かった。 夜の仕事は稼げる。 早くあの家から出たかった。 “義妹”という名の牢獄から抜け出したかった。 自由になりたい。 蝶のように。
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