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戦争は嫌いだ。
戦争は人を傷つけ、殺める。
大切な人を失い、嘆き、苦しむ人が増える。
俺はそれを止めるために軍人になったはずなのに、どうして俺は今、人を殺めている?敵だから?国を守るため?
でも、それでも俺が殺した人にも家族がいて、悲しむ人がいて、その人を愛している人がいて…
その人だって、ただ国を守るために戦っていたのかもしれない。愛する人を守るために戦っていただけかもしれない。
こんな…こんなはずじゃなかったのに…
いつの間に俺の手はこんなに汚れてしまったんだ…
俺は、俺はただ、俺のように苦しむ人がこれ以上増えてほしくないと、俺のように家族を、愛する人を失う辛さを味わってほしくないと思っていただけなのに
それは敵だとか味方だとかそんなんじゃなくて
俺は、俺は!!
「…くっ…うぅ……ふぅっ」
知らず知らずに涙が溢れてきた
それでも頭の中で、どこか冷静な自分がいて、「あぁ、俺は戦場でなにをしてるんだ。はやく立て、戦え」 そんなことを考えてしまっている自分がいて、それが堪らなく悔しくて苦しくて。
もう自分で何を言っているのか、何を考えているのかもわからなくなってくる。
その時、唄が聴こえた。戦場のど真ん中にいるはずなのに、唄が聴こえたんだ。
━━━あなた守るためなら どこまでも行ける
たとえそれが間違っていようとも それでも それでもあなたが “大切“ だから
たとえあなたに嫌われようとも わたしはあなたを “愛している“
だからもう一度唄うよ あなたに届くように この地の上で
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