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中央通りから一本裏に入ると、雰囲気がガラッと変わる。
灰茶色のレンガを積み上げて作られた、簡素な造りの建物が並ぶ一角がシエルの養父の店だった。
表向きは山でとれた薬草や、その加工品を売る健全な店だったが、シエルはこの店の奥で、1ヶ月前、15歳の誕生日から客を取らされていた。
帝国では、法により18歳未満の売春は禁じられている。
しかし、首都から遠く離れた街の裏通りで、旅の憂さを晴らしたい客相手にひっそりと商売を始めた養父が捕まることは、今のところなかった。
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