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「………ハァ…やってしもたなぁ」
支部庁舎からある程度離れた防波堤、そこにサセトは一人つい先程のことを反省していた。
「よぉ、サセ。なーにそんな所で黄昏とんのや」
「………なんでお前がおるんじゃ…クラ」
後ろから聞き馴染みのある声がし、ため息混じりに振り返る。
そこには案の定、自分のよく知る相手、クラがいた。
「いやぁーサセトを探しててん」
「ゆーてただのサボりやろ」
「息抜きくらいええやん!」
「ハァ…」
「どないした?元気ないやん」
「……」
「妹に会ったんやろ?」
「なんで知っとんじゃ」
「タツに聞いた」
ニカッと笑って答える親友にハァ…とため息がまた漏れる。
「アホやなぁお前は」
「はぁ?」
「意地はり過ぎ」
「わかっちょる」
「いいや、わかってへんからそうなるんやろ」
「…そうじゃな」
あ、こいつ聞いてないな、と今度はクラは呆れる。
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