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「なぁサセト、お前どうしたいん?」
「何がじゃ」
「わかっとるくせに。いつまで逃げるんや?」
「……」
「あの妹多分お前と同じ頑固な子やろうから引かへんやろな」
「知っちょる」
「じゃあ」
「あいつは部下に島に帰させる」
「いや、ありゃ自分が納得するまで帰らへんやろ」
「じゃろうな…」
「素直に話しゃええやん」
「今更何を」
「あーもー!やねこいやつやなぁ!!」
「!?」
バシンー
ウジウジする親友にいい加減しびれを切らしたクラはサセトの背中を思いきり叩く。
不意打ちに叩かれたサセトはその勢いのまま海へ突き落とされる。
「ッァ!プハッ!?何すんじゃクラ!」
「頭冷やせゆーとんのや!情けない」
「……」
「素直に気にかけとったって言やええやん」
防波堤上に仁王立ちになったクラが腕を組みサセトを叱咤する。
「そんなに単純なことやないんじゃ」
「お前がそう思ってるだけやないか」
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