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マリネはその日、ヲカヤマ地方へ支援要請からの帰りの道中、休息のためヲノミチへ立ち寄った。
ヲノミチ支部での物資の補充、確認を済ませ、つかの間の休息。
マリネは気晴らしに外を歩いていると、子供が一人、キョロキョロと周りを見ていた。
周りにはその子供の知り合いのような人影もなく、本当にただ一人きりであった。
「ねぇ?どうしたん?迷子?」
ナカコク領土内、かつ支部付近のため、治安は悪くないとはいえ子供が一人と言う事が心配になったマリネはその子供に声を掛ける。
声を掛けられた子供はビックリしたように目を見開く。
正面から見た子供はパット見は男の子のような出で立ちに黒く肩まで伸びた髪、意思の強そうなしっかりとした黄金色の瞳の出で立ちだった。
その子供を見たとき、ふとマリネはよく知った人に似ているような気がした。
「あ、えっと、お兄ちゃんを探してるんよ」
…あ、女の子なんやね…
男の子だと思っていたマリネは声を聞き、女の子であることを知り、心のなかで謝罪した。
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