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「まだまだな所もあるけど、それが僕に出来ることなら断るという選択肢はない。……でもこうして迷う事も多いから、支えてくれたら嬉しい」
「もちろん!」
言われなくても、そうするつもりだ。
そんな意図を込めて額を合わせたままアルディルの顔を見ると、「ありがとう」と言って顔を近づけられた。
そのまま唇を合わせて、気恥ずかしさからははと笑いながら顔を離す。
この恋人らしい距離にも、慣れる日が来るのだろうか。
想像は出来ないけれど、どんどん近くなる距離は嫌ではなく、むしろ嬉しさでどうにかなりそうだと思いながらも、居住まいを正す。
アルディルが淹れた紅茶はすっかり氷が解けていて、口を付けると味が薄くなっていた。
それを飲みながらもこんな日々がいつまでも続けば良いと、ルリは繋がれた手をギュッと握った。
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