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「ご無事で何よりです、零帝様」
水帝、リース・ルト。
この中では一番若いもののその実力は他の帝に引けを取らず、コバルトブルーの瞳は冷たい印象を与える。
「無事なのは嬉しいけどさぁ。説明、してくんない?何で急に行方不明になって、次は休職を宣言したのか。貴方様本人から話を聞かないと、皆納得しないよ~?」
間延びした口調で話すのは、闇帝、リキ・アーデリア。
長い黒髪の前髪を揺らして、舌なめずりをする。
「ちょっとリキ、あなたいい加減零帝様相手に敬語を使いなさいよ!立場が上の人には敬語を使う、何度も言ってるじゃない!」
バンっと机を叩いて立ち上がるのは、光帝、ステラ・ミレ。
闇帝と光帝は幼馴染であり、だらしない闇帝を光帝が窘めるというのはよくある光景である。
「そんなこと、学園に通ってた時から言われている。だが学生だった時から、誰からも注意されたことねえぞ?」
「それは貴方が学園の誰よりも強かったからでしょ。私は注意してたじゃない」
「それ、聞いたことねえな」
「聞きなさいよ」
その時、二人の世界になったのを、割り込む声。
「まあまあ、俺も先生には敬語使ったことねえからな。そういうもんじゃね?」
「ちょっと、味方しないでよ、雷帝!」
雷帝、インファス・ルーグリスト。
この前の真剣な表情とは違って、その口は緩やかに弧を描き、両手を頭の後ろに回し足を組んでいる。
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