7ー帝、集結

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僕は大きな仕事を結構抱えていたため、それを誰がするのかや僕の隊への説明など、面倒ごとはたくさんあっただろう。 けれどこうして今、僕の無事を喜ばれている。 責められるだけじゃなくて、皆本当に僕と会えて嬉しいとホッとしているのが顔に浮かんでいるんだ。 そんな優しい皆にいらぬ気苦労を掛けてしまったことを、誠心誠意込めて謝罪し、頭を下げた。 深く深く腰を折り、けれど休職でまた迷惑をかけてしまっていることに、申し訳ない気持ちで心がギュッと苦しくなる。 それに僕は、謝罪ですら念話越しでしてしまっている。 いくら年齢を誤魔化すためとはいえ、これは不誠実なのでは……そう思うが、僕がまだ幼い子供の年齢だとバレてしまえば、この温かな瞳が侮蔑の色で染まるかもしれない……裏切られたと思って、悲しませるかもしれない。 それを見るのが、僕は……嫌、なのだ。 「あ、頭を上げて下さい、零帝様!何か事情があったのでしょう?貴方様が行方をくらませるほどの、大きな事情が。それを、話していただけませんか?私たちは貴方様の無事を聞いて、本当に嬉しかったのですから」 「そうだな、零帝様の無事を聞いて心底安心したのは本当だ。だが、何故また休職をするのか。俺たちは、それを聞きたい」 光帝、そして闇帝が言い、僕はそっと頭を上げた。 そしたら、真剣な皆の瞳とフード越しにかち合う。
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