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僕の反応を伺っている、それを見て僕もマスターに口を開いた。
《そうですね。彼では強さも、魔力量も足りない。私も賛同しかねます》
「零帝様は、彼に会ったことがあるのですか?」
《はい。私もマスターを保護者としている身、いわば彼は私の弟のようなものなので》
自分が兄でもあり弟でもあるとは、何とも奇怪な状況である。
けれどそんな思考を隅に追いやりそう言うと、何やら皆ハッとしたような表情になった。
「零帝様ってそういえば、お若いんでしたね……」
光帝が皆を代表して何に驚いているのか言ってくれた。
「俺らより若いんですよね?え、ぶっちゃけ何歳か伺っても?」
《……ダメです》
雷帝の言葉に内心焦りながらもそう答えた。
何のために念話で話していると思っているのだろう、それに幻影の魔法で身長まで誤魔化しているんだ。
成長期だからもう少し伸びるだろうけど、男で、しかも高等部の平均身長より低いから、結構虚しいんだよ、この魔法使うの。
「零帝様が就職されたのが今から六年前で、保護者の必要だった年齢となると……最高で二十四歳、そしてそれより若い可能性もある、ってことよね……」
「でも職務に不満を持ったこともないし、何ならミスしてる所も見たとこねえぞ?」
何やら、年齢を探られ始めた。
ダメって言ってるのに……これで二十代どころかまだ十代と言ったらどうなるんだろう。
二十代ですらこんなに驚いているのに、言ったら目ん玉飛び出すんじゃない、ってくらい驚きそう。
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