1662人が本棚に入れています
本棚に追加
皆が、僕の反応を伺っていた。
まるで愛の告白を受けたような熱烈な歓迎に、僕の胸も熱くなってくる。
《僕、は……》
動揺が声に漏れ、零帝としているときの『私』ではなく、プライベートでの『僕』になってしまった。
七つの熱い視線から顔を逸らし、その先にいたマスターの目と合う。
力強く頷かれ、それだけで背中を押された気がした。
《半年……待っていてください。そこで判断を、下したいと思います》
解決策はあるのか否か。
なかったとして王子と同じ状態になるのか、そして魔人の目的が零帝としての力の消失ならば、僕の心が完全に支配されたと同時に、攻撃を仕掛けてくるのではないか、など。
調べることは山積みであり、また今の僕ではやはり零帝としての職務をこなすことができないのだ。
だから半年休職して、その間に調べごとを済ませて、そうして自分の道を決める。
少しだけ自分の未来のために、頑張ろうかな、なんて思った。
「では帝一同、貴方様の事を待っています」
《はい》
最後に土帝の言葉をもって、会議は幕を閉じた。
△▽
「お疲れ様です、アルディル」
「はい。マスターも、お疲れ様です」
会議が終わりギルドマスター室に戻ると、僕は真紅のマントを外した。
最初のコメントを投稿しよう!