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「もちろんです」
僕ははっきりと、頷いた。
孤独だったのは、結局は自分の責任で。
僕は人と関わろうとしなかった、人と関わり、内面を知られ、がっかりされるのが怖かった。
けれど受け入れてくれる人もいる、それを知った。
それに、まだ僕が倒れたあの授業のように、戸惑う事も多いのだ。
あったはずの力がない、その違和感を拭うため、零帝として行っていた業務で皆に掛かかっている負担を減らすため、僕は力を取り戻したい。
それに――。
「零帝として認められた以上は、期待に応えたいですから」
帝に言われた言葉が蘇る。
力がなくてもいい、そう言っていたが、実際力がないと零帝としての業務はこなせない。
だから取り戻したい、あの視線に応えるために。
それにあの頃、僕の周りには帝に隊員など、本当に様々な人がいた。
当たり前だったその生活が、少しだけ恋しいな、なんて。
閉じていた心を少しだけ開き、話してみると、どうなるのだろう、だなんて。
零帝として再び立つために、僕は力を、取り戻したかった。
「そうか」
僕の返事を聞き、レオは何やら納得したように頷く。
「君はどうやら、責任感の塊のようだね。そしてとても、真面目だ」
鷹揚に何度もかぶりを振り、そして表情を和らげた。
「そんな君だから、皆もついていくのかもしれないね。けれど――」
レオは徐に僕の頭に手を置いたかと思うと、思い切りかき乱した。
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