8.5ー家族

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「アル兄、ちょっといい?」 新歓の前日。 明日の事を話し早くもそわそわとし始めている教室内で、ミリーは僕に話しかけてきた。 「いいけど……」 僕の返事を聞いて、「来て」とミリーが僕の腕を掴む。 フレイやリアに混じってミリーと話すことはあるが、こんな個人的な感じは初めてで、どこにいくのだろうかと疑問に思いながらもついていった。 そして辿り着いた場所にいたのは、テル。 ミリーと、そして僕の兄でもあるらしい男。 「ごめんね、昼休みに」 申し訳なさそうに眉尻を下げた彼は、真剣な表情を僕に向けてきた。 「君に、お願いがあるんだ」 兄弟とは言われてもそこまで実感することはなく、普通の友達として接していたミリーと、そもそもあまり関わりがなく、通りかかったら挨拶していたくらいしか接してこなかったテル。 二人が並んで、真剣に僕を見つめてきた。 「両親に、会って欲しいんだ」 何を言われるのか構えていた僕に言われたのは、そんな言葉。 両親という言葉が自身と離れすぎていて、一瞬思考が停止する。
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