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「両、親……?」
「そう。僕とミリー、そして君の親でもある彼らに、会って欲しいんだ」
自分の親にしては彼らなんて、やけに他人行儀な態度。
瞳の中は冷たいくせに、やけに必死で。
「いい、けど……」
おかしな様子の彼の気迫に負け、僕は了承した。
すると、テルの表情が緩む。
「よかった。じゃあ明日、昼を一緒に食べよう。初めて家族が全員揃うんだ、今から楽しみでならないよ」
楽しみと言っているくせに、テルの表情は微かに引きつっている。
その様子に本当に一緒にいていいのか、家族の場を僕が壊すのではないのか、そんな不安が頭をもたげたが、ミリーは本当に安心し切って笑っていて、そんな僕の不安を切り出すタイミングを逃し、僕らはテルと別れた。
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