2.5ー経過報告

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サリュは1人、長い廊下を歩いていた。 喧騒とした空間を離れ、静寂の中、白と黒で綺麗に模様付けされた壁を見やり、足を動かす。 そうして辿り着いた部屋の前に立ち、3回ノックをする。 「ギルドマスター、サリュです。入ってもよろしいでしょうか」 「はい、どうぞ」 失礼します、という声とともにドアノブに手をかけ、中に押し入る。 いつもの如く大量に書類に囲まれているギルドマスターは、サリュの姿を見ると立ち上がり、ソファーに身を移した。 サリュもその向かいに腰を下ろし、口を開く。 「ギルドマスター、ーー」 「ーー見つけたのですね?」 サリュの声を遮り、ギルドマスターは声を重ねた。 「……はい」 神妙な面持ちで、サリュは答える。 正直、サリュは迷っていた。 この話を、ギルドマスターに報告するのを。 彼の、これまでの態度と抱えているであろう事情を考慮し、黙っている方が得策ではとも思った。 しかし、それでは私情を、己の感情を任務に挟んだことになってしまう。 それは最強の隊、ルピナス隊の行動としてしてはいけない。 そう判断を下し、意を決してサリュは口を開いた。
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