地味子ちゃんと外勤!

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地味子ちゃんがアシスタントに来てくれてから1か月ほど経つが、仕事が随分楽になった。プロジェクトの会議録は正確でその日のうちに出来上がる。次の日には確認に回れる。 忙しい関係者を集めての面倒な会議の日程調整もしてくれて、会議室も確保しておいてくれる。 それで僕は各担当との調整や根回しに専念できて、新しい企画について室長と相談する時間もとれるようになった。 だから、ここのところ仕事はほとんど定時に終わるようになっている。でも地味子ちゃんの残業が無くなった。 「残業が無くなって給料が少なくなって申し訳ないね」 「毎日仕事が楽しいので構いません。コピーだとお金をいただかないとやれませんから」 「それもそうだけど」 「いろいろな仕事をさせてもらえて嬉しいです」 「明日、大学の先生のところへ研究委託の打合せに行くけど、一緒について来てくれないか。代わりに行ってもらうこともあるから先生に紹介しておきたい」 「分かりました。場所はどこですか?」 「神奈川県の日吉で少し遠いけど、アポは3時だから、午後1時過ぎに出かけよう」 「都内でないので日帰り出張扱いになるから手当が少し出るけど」 「ありがとうございます」 「先生 との打合せメモの作成と帰ってからの出張旅費の手続きをお願いしたい」 「分かりました」 研究所だけでは手が回らないので、新しい素材の開発を大学に委託している。プロジェクトの準メンバーといったところ。 予算を取るのが大変だったが、私立の大学は学生さんが多くて人手があるので結果は必ず出してくれる。ただ、確実な成果を得るためには事前打合せとフォローが欠かせない。 今日は幸い天気も良い。地味子ちゃんも気分転換になるだろう。室長に大学へ打合せに出かけることと直帰することを話した。 午後1時過ぎに会社を出発して、約束の30分前に大学に到着。大学のキャンパスは広いので入口から先生の部屋まで結構時間がかかる。 部屋の前で時間を調整して丁度3時にノックして部屋に入る。打合せは30分くらいで終えた。 この程度で切り上げないと忙しい先生に迷惑がかかる。地味子ちゃんがメモを取ってくれていたので、打合せに集中できた。 まだ、4時前なので、学生ラウンジへ行って、一休みすることにした。コーヒーを二人で飲む。
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