地味子ちゃんと外勤!

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「お疲れさん、メモのまとめ頼むね」 「分かりました。大学教授って普通の人ですね。怖い先生かと思っていました」 「そう、いたって普通。大体、変わった人は教授になれないから、安心して普通に話ができる」 「大学のキャンパスっていいですね」 「活気もあるけど、ゆったりしていて、落ち着く。僕も好きだ。学生時代が懐かしいよ」 「私も大学へ行きたかったです」 「大学へ進学しなかったのは、お父さんが亡くなったから」 「はい。成績も悪くなかったので、母は進学を勧めてくれましたが、苦労をかけたくなかったので、高校を卒業してすぐに就職しました」 「僕は大学1年の時に両親が交通事故に遭って亡くなってしまった。幸い保険金があったので、なんとか卒業できたけど」 「パソコンはいつ勉強したの?」 「就職してからです。前の会社にいるとき、廃棄するパソコンを貰って、独学しました。会社がパソコンの専門雑誌をとっていたのですが、私が雑誌類を整理する係だったので、廃棄するその雑誌を家に持ち帰って、休みの日に初心者向けの記事を試しながら覚えました」 「随分努力家なんだね」 「パソコンくらいできないといけないと思って頑張って覚えました。でも 、ようやく役に立ちました。覚えておいて良かったです。分からないところは、会社で聞いたり、操作するところを見させてもらいました」 「総務部ではパソコンを使った仕事はしなかったの?」 「総務部では来客へのお茶の接待とコピーなどが忙しくて、そこまでさせてもらえませんでした。それに自分専用のパソコンがなかったですから」 「うちの企画開発室もパソコンの専門雑誌をとっていたから、時間が空いた時に読んで最新の情報を教えてくれる? 僕もなかなかついて行けてないから」 「ありがとうございます。そうさせてもらいます」
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