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お腹が一杯になると元気が出てきた。地味子ちゃんのお陰だ。熱を測ると37℃。地味子ちゃんは、後片付けをしてくれた。
それから部屋を一回りしてから、ベッドのそばにある一人掛けのリクライニングソファーに腰かけた。
10畳くらいの生活スペースには、家具と言っても、他には大型テレビ、パソコン用の机と椅子、大きめの書棚、座卓しかない。
それに少し大きめのセミダブルのベッド。これくらいの大きさがあるとベッドの上で1日過ごせる。
「この一人掛けのソファー座り心地が良いですね」
「外国製で値段も相当したけど、これに座ってテレビをみるといつのまにか眠ってしまう。椅子とベッドは休息に使うから納得のいくものにしている」
「やっぱりブランド好きですね。このお部屋も広くて良いですね、お家賃も高いでしょう」
「本社に異動になった時に独身寮から引っ越した。家賃を会社が1/3払ってくれると言うので少し高いけど良い物件を選んだ。広めの部屋だとゆったりできる」
「彼女が来ても良いように?」
「ううんーまあ、それもあるかな。でも残念ながら誰も来たことがない。横山さんがはじめてだ」
「女の人が独身男性の部屋に行くときは相当な覚悟をして行きま すから」
「相当な覚悟ね!」
「私が来たのは業務の一環ですから、誤解しないでください。室長にも断ってきましたから」
「分かっているよ」
「確かに、女性の痕跡が全くありませんね。それに彼女がくるのに本棚にアダルトビデオなんか置いていませんよね!」
しまった! 本棚に10巻ほどビデオを並べているのを忘れていた。地味子ちゃんは目ざとい。しっかり、見られたみたい。困った。
「会社で女の子に言いふらすのだけはやめてくれ。健康な独身の男なら誰でも持っているよ」
「大丈夫です。言う訳ありません。だって、ここへ来たのは室長しか知りませんし、誤解されると困るので他言はしません。安心してください。でも私も興味があるので貸してください」
「もう、勘弁してくれ、熱が上がりそうだ」
「へへ・・・」
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