地味子ちゃんとお付き合いするときのお約束をした!

2/3
前へ
/104ページ
次へ
朝8時、いつものとおりに席についた。昨日の日曜日は一日中、地味子ちゃんに交際を申し込んだことを考えていた。 やはりすべきでなかったか? いや、付き合ってみたい、これが自然な気持ちだと思った。あとは、地味子ちゃん次第。断られたら、なかったことにしてもらうだけ。それで良い。 8時半過ぎに地味子ちゃんが出社した。いつもと変りない様子だ。 「おはようございます」 「おはよう。土曜日はご馳走になってありがとう」 小声でお礼を言う。もう室内は人が多くなっている。 「今日、お仕事が終わってから、お時間をいただけますか?」 「いいけど、その・・・例のこと?」 地味子ちゃんは首を小さく縦に振った。 「じゃあ、二子玉川の改札口で6時半に待ち合わせをしようか」 「分かりました」 月曜日は午後から会議を設定していた。1時間程度で終わり、地味子ちゃんは会議録をいつものように淡々と作っている。僕は金曜の会議の事前調整に回る。 4時に席に戻ると会議録ができているので目を通す。少し修正箇所を指摘して、直してもらう。 5時に室長が席に戻ってきたので、会議録で経過を説明、今後の進め方を相談した。 5時半に地味子ちゃんが退社。その10分後に後を追うように退社した。 6時半少し前に二子玉川に到着。この時間は大勢の人でごった返している。地味子ちゃんは改札口で待っていてくれた。 「前に行ったことのある居酒屋へ行こうと思う。ボックス席があるし、食事もできるから」 「いいですね」 僕が先に歩いて、地味子ちゃんが早足でついて来る。 「月曜からお酒は控えめにしたいけど、ビール」 「私はハイサワーで」 あと、酒のつまみになるものを3品ほど頼んだ。その後、夕食になるものを注文することにした。 「返事を聞かせてくれる?」 「はい、昨日一日考えました。正直、嬉しいんです。お受けしたいんです。考えたうえですが、いくつかお約束しませんか?」 「お約束?」 「お付き合いするときのお約束です。お互いのためになると思います」 「分かった。聞かせて」
/104ページ

最初のコメントを投稿しよう!

923人が本棚に入れています
本棚に追加