悠君は納得ができない

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「そのマンガ今度映画になるんだって。当麻君が黒王子こと、川瀬先輩の役するんだよ」 「ふーん」 観に行きたいなぁ。 今度は悠君に内緒で行こう。 「……おまえは俺のもんだから」 「は、はいぃ?」 幼なじみ歴10年にして 初めてのおまえ呼びにビックリ! 「黙って愛されてればいいんだよ。言っとくけど拒否権なんかねぇから」 …………ん?? 「ねぇそれ、川瀬先輩の台詞じゃない?」 マンガをパクってるだけだった。 おもわず苦笑。 「おまえあん時アイツと何喋ってた? 嫉妬でどーにかなりそうだった。 今後一切俺以外の男としゃべるの禁止な? お前が可愛すぎるのが全部悪いんだからお仕置き……覚悟しとけよ? ……ってなにこれ。なにこの男!」 「だって女子のためのマンガだも~ん」 悠君は複雑そうな表情でページをめくり続けた。 「こういうのに沙羅はキュンとしてるわけ?」 うん、って素直に頷いたら悠君は眉間にシワを寄せてしまった。 「きっとほとんどの女の子がそうだと思うよ。川瀬先輩みたいなイケメンな俺様男子にあま~く独り占めされてみたいなぁって」 「それマジ?」 そういえば、当麻君の身長って177センチじゃなかったっけ? 悠君のお陰で今知った。 私と彼って理想の身長差だったんだ!
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