手に負えない恋の病

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「書き終わるまで見ちゃダメだよ」 参拝を終えて絵馬を買うと、悠君はちょっと恥ずかしそうにこっちに背中を向けた。 悠君の背中、大きい。 ねぇ、大好きだよ。 「なんか言った?」 悠君はくるりと振り向いた。 「ううん、何も言ってないよ」 心の声、聞こえちゃったかな。 それにしても。 書いてる書いてる。 ものすごい集中力で絵馬に願いをしたためてる。 よし、私も。 願う力は悠君にも負けてないと思うから。 「書けた!」 「じゃ、見せっこね、せーのっ」
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