手に負えない恋の病

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「強行突破してみた」 「力技なんてずるい!」 「なんとでも言えば?」 ほんと、子供みたい。 「でもこれでうちのクラスに悠君が来たら感動しちゃうかも」 「ほんと。神様はいるって信じるよ」 絵馬もペンもなくなって空いてしまった手のやり場に困った。 冷たい指先を、落ち着きなくにぎにぎするしかない。 そんな私の様子を見ていたのか 「手を繋ぎたいって、ちゃんと言えるようになろうね」 意地悪く笑った悠君がそっと行き場のない手を取ってくれた。
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