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「だって京ちゃんが共テ前にテンションあげよう、ガス抜きしよう、息苦しい日常をこの日だけは忘れようって入手困難なチケ取ってくれたんだよ?」
すべては京ちゃんの思いやりなの!
そこを強調したつもり。
「それはさっきも聞きました」
だけど悠君はそんなのどっちでもなんでもいいって感じの表情。
「みんないろいろ我慢して頑張ってんだもん。ご褒美があったっていいでしょ? それにイケメンを拝むと運気がアップするとかしないとか!」
「へぇ、そんな験担ぎ聞いたことないけどね」
うっ……嫌味になんか負けない。
「しかも京ちゃんは長距離恋愛中の私を気遣って彼氏のタカヤ君とは25日にデートするって言ってくれたんだよ。
一緒に行けなくなったからこそライブレポとグッズくらいはお届けしなきゃでしょ? それって義務っていうかほとんど使命だと思ってるの!」
ゼーハーゼーハー。
捲し立てたせいで息切れが半端ない。
「ちょっと落ち着けって、そんな熱弁しなくても伝わってるから。確かに受験生にストレスコントロールは必要だけどさ」
ヒートアップしすぎて悠君をドン引きさせてしまった。
でもこれがすっごいレアチケットだって、ほんとにちゃんと伝わってるのかな?
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