食い意地に勝るものなし

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せっせとお水をあげてー。 アブラムシチェックOK! はらぺこ青虫チェックOK! 今回は、防虫ネットの勝利かな。 と、油断したある日の朝。 おんやあ? 穴? キャベツの葉っぱに大きな穴。 なんてこったべいべー! 誰に食われた! 私より先にあつかましい。 でも、葉っぱに虫はついていません。 どこを探しても見つかりません。 うっかり目でも合ったら恐ろしいので、 ここはそーっとネットを戻して……。 翌日。 更に穴は広がり。 何かでっかい害虫っぽいものが居ることは確定。 第2ラウンド、虫勝利の予感。 旦那にメールで相談したら、(仕事の邪魔だよ、私。というか、自分でなんとかしようよ、私) 「じゃあ、夜に懐中電灯持って見に行ってみよう。夜動く虫もいるらしいから」 と、ありがたい返信が来て。 調べてくれてたのね、まいだーりん。 旦那が勇者に見えるわけですね。 ぇぇ、この頃はまだ新婚で(以下略。 そして、夜。 各々懐中電灯を持ち、旦那は割りばし、私はちり取りを携えて、 いざ!庭へ! ランタンを物干し竿に引っかけ、防虫ネットの外から懐中電灯で照らして、犯人を探します。 「お、これかな」 と、旦那が見つけたそれは、 『でかい青虫が真っ黒くなったやつ』でした。 ぎゃあああああああああ って、夜のこの辺りは超静かなんですが。 声が響き渡ってますよ。 恥ずかしいから騒ぐのやめてください、私。 旦那がそーっとネットを外し、割りばしでそいつを挟み。 「ちり取りで受けてね」 いや、無理っす! 「………………。じゃ、俺やるから貸して」 と、言う『勇者ダンナ』にちり取りを渡し。 3歩後ろに飛んで下がる私。 いかん、これじゃ使えない子だわ。 照明係は任せといて!とばかりに懐中電灯二刀流。 「ランタンで明るいけどね」 使えない子、確定………。 怖いから見たくない。 けど、気になるからちょっとだけ見たい。 でも怖いから見たくない。 (以下ループ) とかやってる間に、勇者ダンナのボス戦終了。 旦那が虫をどう処理したかは分かりません。 聞かない方がいいと言うものですから。 まあ、近頃は家の前の道路に吹っ飛ばしてたりするので、 多分、あのときも……。 妄想は限りなく残虐な方向へ。 で。 がっつりかじられ過ぎたのか、穴あきキャベツはその後育たず。 数日後に引っこ抜かれて終了。 残った苗にかかる期待は、たいそう大きくなりましたとさ。
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