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【彼女の毒】
演劇部には男の先輩もいてちょっと安心、結構部活中もバカなこと言って笑ってる。
部活内容としては学校の周りを走って、腹筋や背筋をこなす。
こんなの元バスケ部の俺として超がつくくらい楽勝。
発声練習もなんとか覚えてきた。あとはコントみたいなこともする。
コントじゃなくてエチュードとか言ったっけ。即興劇のことでグループ組まされて題だけ決めて演技する。
これが一番苦手。俺に備わっていない想像力を求めないでくれ。
「井坂はもともと水無月目当ての入部だから、練習とかだるいだろ?」
「えー…あー、まあちょっと?水無月先輩見てると楽しいですけど」
目の前で水無月先輩のグループがエチュードを発表している。
水無月先輩はどんな題を言われてもすぐに話を作って演じる。
このど素人の俺でも分かる。彼女みたいなのを天才、ということ。
「一年坊主が水無月落とせるかね~」
「先輩たちから変なこと言わないでくださいよ?俺の青春終わっちゃうし!」
「俺ら嘘の付けないピュアな少年だから分からん!」
「ったく!どこがピュアですか!」
「こーら!男子うるさい!」
『すんませーん』
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