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部活が終わるとじゃんけんで負けた俺が鍵当番になった。
でも嫌じゃないむしろ歓迎。だって水無月先輩が日誌書いてるから今俺ら二人きりなわけで…。
「井坂君」
「はい?」
「君はなぜ興味のない演劇部に入ったのか教えて」
「それは興味ですか?」
「そう、この感情は興味と言うわね」
どうするかな。ここで思い切って『あなたが好きだから!』なんて叫んでみようか。
変な空気流れたら『演技ですよ~』と言える状態ではある。
「先輩のジュリエットに一目惚れしたからです」
「そう」
一言、だけ??えーー俺の告白もう終わったの?
「ジュリエットはとても興味深い役だった。
初めは恋すら知らない少女がロミオと出会うことで愛を知り、最後は強い愛ゆえ共に命を絶つ。
とても現実では起こり得ないわ」
「そうですよね、いくら好きだからって心中は俺なら遠慮します。
でも水無月先輩とならいいかも」
どうだ!へこたれない俺の告白パート2!
「演劇は幕が下りてもアンコールがある。拍手や歓声に応えるためにね。
だけど人生にはアンコールはないの。
いつだってどんな時でも幕が下りたらもう二度と上がらない。分かる?」
で、でた。天然系不思議ちゃん、水無月先輩。
久々にくらったけどやっぱり理解できない。俺がバカなのも多少理由かもしれないが…。
「日誌書き終えたからもうここ閉めて構わない。お疲れさま」
「はい、お疲れっス」
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