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鍵を閉めてさっさと帰ろうとしたときふとあることを思い出した。
数日前クラスの女子が話してたあるおまじない。
屋上のあるフェンスに自分のロッカーのカギをかけると恋が成就するとかいうやつ。
どの学校にもありそうな話でなんで今思い出したかも不明だけど、きっと何か意味があるから思い出したんだろう。
きっとそうだ!ロッカーのカギを手にして屋上まで走った。
外は暗くなり始めたけどどのフェンスに鍵を掛ければいいかは一目瞭然。
びっしりと鍵がかけてあった。
「これかけたら俺の恋もちょっとは進むはず…」
どうせなら鍵が密集しているとこよりも少しでも高いところがいい。
七夕の短冊みたく空に近い方が願いが届きやすそうじゃん?
フェンスに寄りかかりながら少しでも高いところを目指す。
「これで…?う、うああああああーー!!」
寄りかかったフェンスが倒れた。
そこからはスローモーション。
ゆっくり、ゆっくり地面が近づいて…。
「みな、づきせ、んぱい…」
これが俺の最期の言葉。水無月先輩への思いでいっぱいのまま死んじまった。
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