track6:Paint it, Black

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「どうしてこうなった!?  よりによってサンライズだぞ!  ようやく裁判が終わったのに、また新たな火種だ」 「放っておけばいいだろ。今更どうにもならない」  セイイチのなげやりな言い草に海老名が不快感を露に睨み付ける。 「Kはサエの正体を知ってて、そこに偶然ステラ電子がCMの話を持って来たんだ。  彼らにそのことを提示すれば喜んで食いつくだろうな。  俺達は利用されたんだよ。それなのに放っておけだ?  自分には責任がないとでも思ってるのか!?」  海老名が”偶然”という表現を用いたことにセイイチは引っ掛かりを覚えた。  デジタルプレイヤーのCMの話を初めて聞いた時、Kは偶然が重なると言っていたが、あの時のKの返答は明らかにおかしかった。  既にあの時点でこのことを計画していたのかと考えると、海老名の言っていることがやはり真実なのだと思い知らされる。     
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