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「俺にどうしろっていうんだよ?
気付けるわけないだろ」
「Kにサエを紹介されただろ。どうして見過ごしたんだ?
彼女を獲得していればこんなことにはならなかったんだぞ!」
「まてよ、親の名前は本人の才能とは関係ないだろ。
俺はあの子に可能性を感じなかったから、スカウトしなかったんだ。
それで責められる筋合いはないぞ」
「可能性なら十分あるじゃないか。
本当に才能がなかったらサンライズが欲しがる訳がないだろ。
他社に出し抜かれて大きなビジネスチャンスを棒に振ったんだぞ。恥ずかしくないのか!?」
自分がミスを犯したという自覚は少なからずあるが、アーティストとしての信念を曲げてまで不本意な仕事をしようとはセイイチは思わない。
それはかつて同じバンドで共に同じ夢を追いかけたイチロウも同じだと思っていただけに、海老名のこの発言がセイイチは許せなかった。
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