23人が本棚に入れています
本棚に追加
/344ページ
「ユウコさん、これなんですか?」
「え?なにが?」
スタッフがアコースティックギターのピックガードの剥がれた部分を指さしてしげしげと眺めている。
「ほらここ、なんか汚れ?
文字みたいにも見えるけど・・・
”す”?」
「ああ、いいのいいの、気にしないで。」
慌ててスタッフをギターから引き離すと、眉を顰めながらも自分の仕事へと戻っていく後姿を見届けて、ユウコはホッと胸を撫で下ろした。
スタッフが指摘したピックガードの剥がれた部分を見つめて薄く微笑むと、ユウコは懐かしい記憶を辿る。
最初のコメントを投稿しよう!