track1: SLOW DOWN

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「あの…… 何か飲まれます?」  無言で見入ってしまっていたセイイチに少し怪訝な面持ちで彼女が同じ質問をする。 「あ、あぁー。  じゃあ同じのをもう一杯」  セイイチがウィスキーを注文すると女性スタッフはその返答にクスリと表情を綻ばせた。 「え、なに?  なんか変なこと言ったか?」 「いえ、ごめんなさい。  ロックンローラーは皆ウィスキーが好きだって、聞いたことがあって、  本当なんだなって思ったから。。。」 「誰のセリフ?」 「おじいちゃん。  古いロックスターのレコードを集めるのが趣味なんです」  そう言って彼女は新しく注いだウィスキーのグラスを差し出しながら「ジャックダニエルも」と微笑んだ。
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