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「私、最後のアルバムが一番好きでした。
バンドの転換期っていうか、Mor:c;waraらしく無いんだけど、
新しい可能性を感じてワクワクしたんです」
「そう言って貰えると嬉しいね。
あれは自信作だ。
発表してすぐに解散しちまったけどな」
そう言ってセイイチは遠い目をしながら、もう一口ウィスキーを飲み込んだ。
ちょうど視線の先にMor:c;wara時代の写真が飾られていて、派手な化粧や衣装で飾り立てた自分の姿が写っているのを見て少し恥ずかしくなる。
ケンジがお客さんが喜ぶからといって、店内のいたるところにMor:c;waraとゆかりのあるアイテムを飾っているのだが、かつてのメンバー達は恥ずかしいからやめろと散々抗議してきた。
しかしこれが店に客を呼び込む宣伝にもなっているため今さらやめるわけにもいかないらしい。
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