第十章 願い

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「濱野さん。君はさっき、自分の気持ちを僕に伝えてくれた。だから、今度は僕の番だ」  三笠君が急に真剣な顔になる。  何だろう? この高揚感覚は。何か、とっても素敵な事が始まるような気がする。 「濱野さん。ずっと前から、君の事が好きだった。僕と、付き合って下さい」  ああ、夢なのか、夢なのか、夢なのか。  こんな夢のような事が本当にあるなんて。  また、涙が出てきた。  両方の掌で顔を被う。顔を上げていられない。 「濱野さん?」  三笠君が私の答えを待っている。  うん、うん。  泣きながら頷いてみせる。 「ありがとう」  三笠君が優しく私を抱きしめる。私は三笠君の胸の中で暖かい涙を流し続ける。  ああ、夢なら覚めないでほしい。この夢が永遠に続いてほしい。
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