25人が本棚に入れています
本棚に追加
視界が塞がれた事で、唇の感触がより鮮明なものになる。
自分の唇なのか三笠君の唇なのか、区別がつかない。
頭がぼーっとなり、足の力が抜ける。
縋り付くように、三笠君の背中に腕を回す。
三笠君も私の背中に腕を回す。
互いの体が密着する。
体温が通い合う。呼吸が同期する。心臓の鼓動を感じ合う。
私と三笠君は、いま一つなんだ。
二人で、一つの体を共有しているように感じる。
二人を取り巻く世界が、私達の接している一点に溶け込んで行くように感じる。
時間さえもが、私達二人と一体の物になろうとしている。
私の感覚も心も、全てが時空の中に溶け込んで、私は光り輝く点になっていく。
最初のコメントを投稿しよう!