第二章 ハジマリ

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 ドスン。  誰かとぶつかった。 「ご、ごめんなさい」  慌てて頭を下げる。  考え事をしていて、前を見ていなかった。  ? いや、意識が一瞬跳んだような気がした。…これは、気のせいかな?  気を取り直して、再び歩き出す。  そりゃ、私だって。三笠くんと親しくなった未来を夢見ることだってあるよ。  楽しくおしゃべりしたり、映画みたり、遊園地いったり。  プレゼントを贈ったり、貰ったり。  浜辺で追いかけっこしたり、夕日の中でキスしたり。  想像のなかではね。  でも、ほんとの私は男子とおしゃべりする事からして、無理の無理。  私の家系は女系の家系らしく、きょうだい・いとこは、女ばっかり。  男の子と何の話をすれば良いのか、見当がつかない。
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