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はぁ…。溜息がでる。まるで、溜息で呼吸してるみたいに、一杯でる。
告白すべきか、黙っているべきか。
何度目かの堂々巡りを繰り返す。
ふと気が付くと、私は横断歩道の前に立っていた。
あっ。また考え事してて前後不覚になっていた。
私の斜め前にいた猫が歩き始めた。
私も、その猫につられて、足を踏み出す。
パッパッー。
けたたましい警笛。
それに続いて、キキーッというタイヤの悲鳴。
私の数十センチ手前で、自動車が止まる。
私はその場に尻餅をつく。
「馬鹿野郎。どこ見て歩ってるんだ」
へたり込んだ私に、罵声が浴びせられる。
目の前の信号を見ると、まだ赤のままだ。
どうやら、私は信号無視をしてしまったらしい。
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