第三章 姉妹

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 ガラガラッ。  玄関のドアが開く音が聞こえた。 「ただいまー」  元気な声が家じゅうに響く。翠が帰ってきたんだ。  ダダダダダッ。  階段を駆け上がる音がする。  もう直ぐ、翠が私の部屋に駆け込んでくる。  翠は、お姉ちゃんっ子だ。  小さい頃は、いつも私にひっついていた。  私も慕われれば、可愛いいと思うので、翠には甘くなった。  幼いころの翠は痩せていて、体も丈夫じゃなかった。  よく風邪をひいては、私が食事の世話を焼いたりした。  それなので、翠はよく私に甘える。  流石に、翠も中学二年生になったので、私ピッタリという事は無いのだが、家に帰ると 自分の部屋に入るより前に、私の部屋に顔をだす。 「お姉ちゃん! ただいま」  ビックリするような勢いで、ドアが開く。  翠を心配させてはいけない。  私は渾身の造り笑顔で 「おかえり。翠」  と返す。  それに安心したのか、翠は輝くように「ニッ」と笑って、私の部屋を出て行った。
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