第三章 姉妹

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「翠! あなた、私のシューアイス食べたでしょ!」 「お姉ちゃんの? でも、お姉ちゃんのは自分で食べたんでしょ。私、二個入の残ってた 方を食べたんだよ」 「翠。冷凍庫にあったシューアイス食べたよね。それは私のなの。お母さんが買ってきた シュークリームは冷蔵庫のなか」 「えっ!? そうなの。メンゴ、メンゴ」  なにその軽いノリ。ちょっとカチンとくる。 「ちゃんと謝りなさいよ!」  と声が大きくなる。 「そりゃ、謝るけどぉ…。お姉ちゃんだって、こっそりと一人でシューアイス食べようと するのが悪いんだからね」 「自分のお金で買ったものを、一人で食べるののどこが悪いのよ!」 「はいはい。わかりました…」といったあと、謝罪の言葉を口にすると思いきや 「そんなに大事なら名前でも書いておけばいいのに…」と小さい声で付け足した。  なんだろう。この子は。自分が間違ったのに、謝りもせずに、却って私を悪者にする。  頭に血が上っていく。
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