第三章 姉妹

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 翠も私も、それぞれの部屋に閉じこもる。  翠の部屋から、すすり泣く声が聞こえてくる。  耳を塞いで、それを聞くことを拒絶する私。  翠は、そのまま部屋に閉じこもり、夕食の時間にもダイニングに降りて来なかった。  両親が心配して仲直りを勧めたが、ヘソを曲げた私は頑なに謝罪を拒んだ。  母に説得され、翠は一人で遅い夕食を摂った…。涙を流しながら…。  私は、その姿を見ていられなくて、入れ替わりに自分の部屋に逃げ込んだ。  それは、そんな翠の姿を痛々しく思ったからだ。  可哀そうと思ったからだ。  喧嘩をしていても、私は翠を心底憎むことはできなかった。  心の奥底で、やはり翠を好いている自分に気が付いた。  そのときから、私は後悔の浜辺を彷徨っている。  翠は、ただ単にオヤツを間違えただけなのだ。  翠は、私の失恋のことは知らない。  だから、翠の失恋発言に深い意味などなかったのだ。  それなのに私は…。
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