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翠も私も、それぞれの部屋に閉じこもる。
翠の部屋から、すすり泣く声が聞こえてくる。
耳を塞いで、それを聞くことを拒絶する私。
翠は、そのまま部屋に閉じこもり、夕食の時間にもダイニングに降りて来なかった。
両親が心配して仲直りを勧めたが、ヘソを曲げた私は頑なに謝罪を拒んだ。
母に説得され、翠は一人で遅い夕食を摂った…。涙を流しながら…。
私は、その姿を見ていられなくて、入れ替わりに自分の部屋に逃げ込んだ。
それは、そんな翠の姿を痛々しく思ったからだ。
可哀そうと思ったからだ。
喧嘩をしていても、私は翠を心底憎むことはできなかった。
心の奥底で、やはり翠を好いている自分に気が付いた。
そのときから、私は後悔の浜辺を彷徨っている。
翠は、ただ単にオヤツを間違えただけなのだ。
翠は、私の失恋のことは知らない。
だから、翠の失恋発言に深い意味などなかったのだ。
それなのに私は…。
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