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翠は悪くない。
私が誰かを悪者にしたてて、自分の鬱憤をぶつけたかっただけなんだ。
そう分かっていながら、素直になれない自分が居た。
妹の翠ばかりが保護され甘やかされ、姉の私が蔑ろにされている。
そんな思いが、私を依怙地にさせた。
その夜、翠が私の部屋を訪ねてきて、泣きはらした顔で
「お姉ちゃん、本当に私が居ないほうが良いの?」
と聞いた。
私は、翠の目を見ずに
「もう、お姉ちゃんなんて呼ばないで。あんたはもう妹じゃない。早く居なくなって」
と突き放した。
翠は涙声で
「わかった…。明日…、出ていく」
そう言って、私の部屋を後にした。
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