プロローグ。

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要領が悪く、ドジだと自分でも 分かっているのだけど それでも細かくメモを取り 一応形だけでも理解したつもりだ。 数日後。 新しい担当に初めて会う事になった。 「えっと…今日は、午後から 挨拶と原稿を取りに行くのよね」 ブツブツと言いながら スケジュール帳に書いたメモを確認する。 今回担当する事になった小説家は、 出版する小説は、必ずベストセラーになると 言われるほどの有名作家。 〝蓮見真夜(はすみ しんや)先生だ” 本名は、『藤崎真夜』と言うらしい。 私もこの人の書く小説は、 必ず買っているほどの大ファンだ。 聞いた時は、思わず飛び上がりそうになった。 だがこの人は、謎も多い。 表舞台に一切出ないため素顔を知らない。 年齢は、若いと言われているが それすら本当なのか分からない。 デビュー当時から担当している 河合先輩の話を聞いたが、かなりイメージと違う。 4歳のお子さんが居るシングルファーザーらしいが 「う~ん。もう何が真実なのか分からない」
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