藤崎親子。

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睦月君にもジュースが入ったコップを渡すと 自分もコーヒーを飲み出した。 それを聞いた時に意外と律儀というか 優しいと思った。 冷たく言い放つのは、 ただの照れ隠しだからだろうか? それとも、言っていた通り 行き詰まっていたから 機嫌が悪かっただけだろうか? 「そういえば、小説どうするんだ? 次の作品に対して希望とかあるのか?」 先生に逆に質問してきた。 えっ? 一瞬何を言われているのか分からなかったが すぐに理解する。 「あの……それより、サイン会の方を…」 「だから、断ると言っているだろーが!? やりたいなら勝手にやれ。 その代わり俺は、出ないからな」 また、機嫌悪そうに言われた。 先生が出ないのなら、サイン会をする意味がない。 それだと我が社が困ってしまう。 「お願いします。先生……」 必死に頼み込むがダメだと拒否される。
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