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小さな手を拭いてあげると睦月君は、 それをジッと見つめていた。 「よし。綺麗に拭けたわよ」 そう言ってニコッと微笑むと 「…ありがとう」とお礼を言ってくれた。 話さない睦月君にとったら貴重な言葉だ。 何だか嬉しくなった。 そうすると先生が 「食べ終わったんなら帰るぞ」 ノートパソコンを閉じながら言ってきた。 「は、はい」 私も慌てて帰り支度をする。 カバンを持ちトレーを持とうとしたら 先生が持ってくれた。 「お前は、持たんでいいから睦月を頼む」 「は、はい。分かりました」 慌てて言うと先生は、片付けに行ってしまう。
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