653人が本棚に入れています
本棚に追加
/335ページ
小さな手を拭いてあげると睦月君は、
それをジッと見つめていた。
「よし。綺麗に拭けたわよ」
そう言ってニコッと微笑むと
「…ありがとう」とお礼を言ってくれた。
話さない睦月君にとったら貴重な言葉だ。
何だか嬉しくなった。
そうすると先生が
「食べ終わったんなら帰るぞ」
ノートパソコンを閉じながら言ってきた。
「は、はい」
私も慌てて帰り支度をする。
カバンを持ちトレーを持とうとしたら
先生が持ってくれた。
「お前は、持たんでいいから睦月を頼む」
「は、はい。分かりました」
慌てて言うと先生は、片付けに行ってしまう。
最初のコメントを投稿しよう!