真相

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「今日は本当にありがとう。助かったよ」 「いいわよ別に。ってゆーかアンタに彼女がいたなんてね~。その彼女をほっぽって大丈夫なの?」 「あぁ。大丈夫だよ。今日は急用ができたってちゃんと言ったし」 「それ勘違いされない?」 「それはないでしょ」 「ならいいけど~。あたしだったら勘違いしたり、勘ぐったりしちゃうよ」 「怖いこと言うのやめてよ」 「冗談、冗談」 二人で笑いあっていると、刺すような視線を感じる。ごった返した駅のホームでなんだろうと思ったら、向かいのホームに彼女がいた。 「やばい!彼女が向かいのホームにいる……!」 「うっそ!アンタそれバレないようにしなよ!」 後ろ手に隠したのは、明日渡す予定の彼女の誕生日プレゼントだ。喜んでくれるかな? 「そんなあからさまな動き、バレバレだって。あたしが持つよ!」 腰の位置にあった手から、すっと紙袋を取られる。
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