第1章

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すぐ横で、リアの泣く声が聞こえる。 強い日差しを受けて、リアの飴色の髪飾りが光った。 私は、自分では諦めているつもりだった。でも、どこかで、私は生きたいと泣いていた。諦める事は、決して安易では無い事。それを、この運命というものは無理矢理教えてきた。わざわざ近づいてきて、私の耳元で、こうささやく。 「嘘ばっかり。本当は生きたいんだろ?死にたくないんだろ?ま、君はどうせ死ぬから、そんな事願っても意味無いんだけどね~。」 …人は、どうしても、生きたいと思ってしまうんだって。 「本当に」 リアは、潤った緑色の瞳をこちらに向けた。 「本当に、あと三ヶ月だけなの?」 その言葉に、息が詰まった。泣くのは堪えた。私は、必死に口角を上げた。 「…そうだよ。」 少しだけ躊躇いがちに言ってしまった言葉は、彼女の顔をもっと濡らしてしまう。 自分でも言うのが辛かった。 急に何かが込み上げてきて、慌てて咳き込んだ。ぼたっと言う鈍い音と共に、赤い液体が地面を染め上げた。リアは目を見開いている。 これが証拠だよ。 とでも言う様に、笑ってみせた。力が入らなかったから顔が歪んだだけに見えたかもしれない。リアは急いで私の手を引っ張った。 その手は、しょっぱく濡れていた。
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