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その神社は裏町の中心から真東に有る龍神様を祭る龍珠神社(りゅうたまじんじゃ)だ
規模は小規模で家の神社の1/10もない
私が小鉄に少し遅れて境内に入ると年配の男性が参道を掃き掃除してるのが目に入った
神主さんで有ろうか?
先を歩く小鉄が神主さんの前に行くと
「おや。小鉄君。パトロールご苦労様ですね。」
神主が小鉄に話かけると
「ニャー。ニャー。ニャー。」
と多めに鳴く
「そうでしたか。新人さんを案内ですか。ご苦労様ですね」
と、小鉄に向かい再び話かける
げっ、あの人猫と話てるよ…
私が苦い顔をしながら近付くと、
「おや。貴女が新人婦警さんですか。」
と、にこやかな笑顔で神主さんが私に話かけてきた。
続けて、
「はじめまして。私はここの神主で龍神(りゅうがみ)と申します。」
と自己紹介された
「はじめまして。新人の愛宕桜巡査と申します。」
すると
「おや?愛宕神社の桜ちゃんじゃないかね?立派に成りさなったな」
「はい。そうですが…私をご存知なのですか?」
「桜ちゃん…いやいや。もう桜さんとお呼びした方が良いかな。桜さんが産まれ直ぐにご両親とお兄さんと一緒にご挨拶に来て頂いてね。そうですか。あんなに小さかった桜さんもこんなに立派に成られて」
感慨深そうに龍神さんが優しい目で私を真っ直ぐに見る
「そうでしたか。有難う御座います」
「せっかくいらっしゃったんだ。少し休憩されてはいかがかな?」
大賛成だ。
私はもうくたくたで歩けないので願っても無い申し出だ。
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