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6話 宇宙探索
これは日本が開発した、宇宙探索用の宇宙船 "マサヨシ " である。乗組員は船長以下六名である。
操縦士のサカイ、副操縦士のシダ、エンジニアのトオノ、通信の女性マリコ、最後に救護班の婆さんサユリである。
ある星に着陸した時、生命と思われる卵を発見した。シダはヤバイよと言っていたが、研究のために地球に持ち帰る事にした。
3日後、殺菌室に保管してある卵が、何倍もの大きさに成長していた。
シダは「これどうなってるんだ?」と卵に近づいた。「危ないわよ」とマリコが声をかける。
「大丈夫だって」と手を伸ばした時、卵が割れて爬虫類の様な生き物が、シダの頭を噛み砕いた。
「キャー!」マリコは驚いて、応援を呼びに行った。全員が部屋に近づくと、爬虫類は二mもの大きさに成長しており、するりとダクトに逃げ込んだ。
「ありゃあ何だ?」
「大変な物、乗せちまったよ」
「ああ、シダさんが」と皆んなパニクっていた。
「ありゃエイリャンじゃな」とサユリが呟いた。
「エイリャン?婆さん知ってるのか?」とカサイが聞いた。
「誰が婆さんじゃい!サユリと呼ばんかい!」
えー?
「そ、そのう、サ××さん。エイリャンて?」
「何で名前にモザイク入れるんじゃ!まあええわい。エイリャンは最古の生命体じゃ。何でも食い尽くしてしまう。何とかせにゃならんのう」
婆さん、いや、サユリはそう言った。
船長は、武器庫に誘き寄せる作戦に出た。
だが、エイリャンは先回りして、武器庫にいるトオノとマリコを襲った。
サユリは部屋にこもり、爺さんの写真を見つめていた。「わしもそろそろ、あんたの所へ行くのかのう」と靴箱から爺さんの形見を取り出した。
これは、初めて爺さんからプレゼントされたものだ。
だがその時、背後からエイリャンがゆっくり忍びよっていたのだ。尻尾をくねらせて、サユリの足元を狙っている。
そうとは知らず、サユリは靴を履こうと、足を入れようとした。
「あれ?何じゃ?こ、この!入らんの」と地団駄を踏んでいる。
そしてエイリャンの尻尾が、サユリの足首に巻き付こうとした時だった。
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