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「入ったー!」と足を大きく踏み下ろした。
そこに丁度、エイリャンの尻尾が下に入り込んだ。
「うぎゃぎゃぎゃー!」
エイリャンは、痛みにのたうち回った。
真っ赤なピンヒールが、尻尾を突き抜けていた。
「なんじゃ?」サユリが振り向くと、エイリャンは尻尾に息を吹きかけていた。
「こらあ!わしの身体は爺さんのもんじゃ!」とサユリは、モップを突き立てた。
するとエイリャンは、ドアを破り逃げ出した。
入れ替わりに、船長とカサイが入ってきた。
「婆さん、大丈夫ですか?」
「じゃからサユリじゃ!」
三人は悩んだ。誰にするかを。
するとサユリが「わしが囮になろう。1番生い先が短いからのう」二人は何も言えなかった。
サユリはシャワー室に入った。
「船長、少し無理がありませんか?シャワーを浴びてる婆さんを、襲うとは思えません」カサイは素直な意見を言った。
「俺もそう思うんだが、婆さんがまだまだいけると聞かないからな」と船長も乗り気でない。
するとシャワー室で、サイレンがこだました。
「うそー?エイリャンは何でもありだな!」と、ドアの前で麻酔銃を構えた。
ドアが開き、二人が同時に飛び出してきた。
「今じゃー!」と叫ぶサユリに、麻酔銃が撃ち込まれた。
「何でわしなんじゃ!」と、わめくサユリ。
「いやあ、余りに顔が怖かったもんで」カサイがつい本心を言うと、サユリはバタッと眠り込んだ。
失敗だ。こうなったら…
排出口から、宇宙に放り出してやる。
今度は船長が囮となり、排出口間際までエイリャンを追い詰めた。
「今だカサイ!スイッチを押せ!」
「しかし、それでは船長も一緒に!」カサイはためらった。
「生きて帰るんだ!俺の最後の命令だ!」
船長…すみません…
カサイはスイッチを押した。
ガバッ!ゴゴゴー!
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